18冊目江上剛さんの「ラストチャンス」を読んだ。
江上剛さんつながりということで、手にとりました。
やはり小説ってすいすい読めて止まらなくなり、家事が疎かになりますよね。
主人公の樫村は、勤めていた銀行が合併されたことにより銀行からカード会社への出向を命じられ、退職を決意します。
あらゆる知り合いに転職の口をお願いするものの、なかなか良い話が舞い込んでこない中、投資会社の山本によって、飲食フランチャイズ会社の財務担当役員として、勤務するよう頼まれました。
経営状態を確認しているうちに、巨額の負債があることが判明し、会社を救うため、資金集めに奔走したり、本業の立て直しを図ったりする中で、元同僚に嫌みを言われたり美人社長に誘惑されそうになったり、数々の困難を乗り越えついに…
というお話ですが、面白かったです。
私は飲食フランチャイズ会社について、全然知識がなかったので、フランチャイズの権利を売るのが商売になる仕組みや、権利を売るからにはフランチャイズ会社で春夏秋冬のノウハウを蓄積してから売却するのが普通だとか、興味深く読み進めました。
登場人物で好きだったのは岸川さんです。
当初財務部長だった岸川さんは、最初は樫村への協力に消極的であったものの、最終的に最大の協力者になりました。岸川さんの心境の変化を楽しく読み進めることができました。
気になる点としては、今後樫村はどうするのかな?ってことです。うーん。
あと、「樫村」と聞くと、島耕作シリーズに出てくる島耕作の同期で出世頭で島耕作のことが好きで海外赴任先で殺されてしまった樫村を思い出してしまう私。
この小説の樫村さんも東大出身で優秀という設定ですから、「樫村」には優秀な人物というイメージがあるのかもしれませんね。