あめちゃんの読書日記

目標は年間100冊読書して本の感想を詳しく語ること

有川浩さんの「三匹のおっさん」を読んだ。

三匹のおっさん (文春文庫)

有川浩さんの本を、とりあえず片っ端から読む活動の一環として、まずはドラマにもなった三匹のおっさんを読みました。
ちなみに、図書館戦争シリーズを読む前に県庁おもてなし課を読んだことがあるんだったな…と思い出しましたが。

「三匹のおっさん」は、還暦を迎えた男性三人が、まだじいさんじゃねぇ!おっさんだ!と自発的な町内自警団となり、警察では難しいような町内の揉め事を、時にはグレーな手段で解決していくという、勧善懲悪なスカッとするお話です。

数々の事件を解決していく中で、生意気だった孫が成長を遂げていったり、奥さんとの関係を立ち止まって考える機会があったり、おっさん達周囲の人々が変化していく様子も面白かったです。

しかし、一番ビビッと来たのは序盤のノリさんの決め台詞「俺たちのことはジジイと呼ぶな。ーおっさんと呼べ。」でしたね。

決め台詞と書きつつ、一回しか出てこない台詞なのですが、この一言が物語のすべてを表しているというか、すごく心に刺さったのでした。

物語全体としては、すごく面白くてやはり寸暇を惜しんで読み進めてしまいました。
三匹のおっさんは、この時代に還暦ですから、年相応にガサツです。言葉遣いもザ・男!な感じです。でもそんなガサツな男らしさを下品に感じさせず、愛すべき対象として描かれていて、読んでいてとても心地よい感覚でした。
実生活において、親しい女性のことを「おまえ」とか「ババア」とか言う人は大嫌いです。
ですが、この本の登場人物がそのような言葉を使っても、実生活のような嫌悪感はありませんでした。むしろ人間味溢れるというか?きっと、言葉の表現以外の人間性の部分で愛すべき存在としてインプットされたからなのかなと思っています。
図書館戦争シリーズでもそうでしたが、有川さんの書かれる物語では、ガサツに振る舞うけどとても愛すべき人が沢山登場するのだなぁと思う次第です。

これから読む本にも沢山出てくるんだろうなと思うと今から楽しみです。