あめちゃんの読書日記

目標は年間100冊読書して本の感想を詳しく語ること

崔 碩栄さんの「「反日フェイク」の病理学」を読んだ。

 

韓国「反日フェイク」の病理学 (小学館新書)

 武藤さんの本に続き、日韓関係の理解のために一冊だけというわけにもいかないと思ったので、こちらも読みました。


この本の軸は、日韓関係悪化は北朝鮮の差し金であり、思うつぼである、という考え方ですね。

文大頭領も北朝鮮よりですが、かなり昔から北朝鮮が優位を保つために、日韓関係悪化を願う一定の勢力があの手この手で、反日感情を煽るような説を流布していたよということが書かれています。


文大頭領が独裁政治へと突き進む様も具体的に書かれてはいるのですが、黒幕は北朝鮮(と北朝鮮よりの勢力)であるという色合いが濃かったです。


朝鮮戦争のことにも触れてあったのですが、親世代にはリアルな世界情勢であったのでしょうけれど、アラフォーの私は自分が生まれる前に終わった外国の戦争という印象しかなく、何にも知らなかったなぁと少し反省しました。

以前、テレビのクイズ番組で天才小学生のような位置付けの小学生回答者が、湾岸戦争多国籍軍の構成メンバーに関する問題に答えられなかったことを思い出しました。

湾岸戦争は、私の世代にとってはテレビでリアルタイムに情勢を見ていましたから、誰が当事者かは自然に理解していましたが、その少し後に物心がつく世代は積極的に知ろうとしないと、知るタイミングがないのだなと思ったものです。

日韓関係の書籍を読むのは、この2冊で一旦休憩しますが、時事問題に関する書籍は定期的に読んで理解を深めていきたいと思いました。


そうそう、以前仕事でお世話になったコンサルの先生が、「新しい分野に取り組むときは、その分野の本を20冊読むようにしています。20冊も読めばその業界への賛成意見も反対意見も大体把握することが出来て、偏って考えることを防ぐことができる」とおっしゃっていました。なので、本来は20冊と言わず10冊いや5冊は読んだ方が良さそうですが、読みたい本は他にもありますので、とりあえずはこの2冊でおしまいにしたいと思います。


元・駐韓国特命全権大使武藤正敏さんの「文在寅という厄災」を読んだ。

文在寅という災厄

読みました。

有川浩さんシリーズは少しお休みすることにして、今更ながら時事問題を理解しなければということで、そのためには書籍だ!と思いこちらの本を読みました。


作者の武藤さんは、駐韓大使を務めた方で、自分の目で韓国を見てきた方、また外交的視点で日韓関係を冷静に分析できる方だと思います。


こちらの本の方向性は、とにかく文大頭領がヤバイということにつきます。

武藤さんは、文政権が成立したときにも本を出版されていて、そちらは読んでいないのですが、文政権のヤバさを予言されていて、その検証がてらこの本を書いたけれど予想を上回るヤバさだった…ということでした。


経済政策でつまづいても、マスコミをあからさまに操作し、政治の制度を自分に有利なように手を加え失脚しないよう仕組作りをしてじわりじわりと民主主義から遠退いていく、しかし文政権を選んだのは国民である、という内容が初心者には若干分かりづらさはあるものの、説得力ある内容で書かれておりました。


読んでいて、自分の無知を恥じたポイントがあるのですが、過去の大頭領の名前が、朴槿恵さん以外読めなかったということです。(もちろんふり仮名などない。)

よっぽどボーッと過ごしてきたのだなぁと思いました。もう少し興味を持たないとダメですね。

 

今回本を読んだ目的としては、日本側が韓国に主張している内容の根拠を確認したかったということがありますが、ふむふむなるほど、そうだったのか!と思いました。学生時代の歴史の授業で習ったはずなのに、全然印象的ではありませんでした。

歴史って、未来を良くするために過去の経験を学ぶものであるとは高校の先生がおっしゃっていたことですが、そういった意味から考えると、近現代史は受験対策だけでなく、未来につなげるという視点から丁寧に学ぶのが良さそうだなと思いました。


 

 

有川浩さんの「キケン」を読んだ。

キケン (角川文庫)

有川浩さんを片っ端から読む活動の一環です。
以前、三浦しをんさんにハマってから、エッセイや小説等を読みまくった時に感じた食傷感がないこともないのですが…やっぱり面白かったです。(私は本でも飲食店でもはまったら飽きるまで読んだり通い続けるというスタイルでして。)
台風の影響で電車が動かなかったので、ここぞとばかりに読みました。
今更気づきましたが、女性作家だからか、グロい描写がないのがとにかく良い。 安心して読むことができます。

「キケン」は、とある工科大学の機械制御研究部のあれこれを描いたお話。新入生が上級生に勧誘されるところから始まり、その新入生が個性200%みたいな上級生に振り回されながらも、そのうち楽しくなってきて青春を謳歌するという爽やかな物語です。

舞台が工科大学なので、ほぼ男子校で部活も文科系ですので、爽やかな青春物語の定番と思われる共学の運動部とは正反対なわけですが、好きなことや興味のあることに没頭する真っ直ぐな若者を描くことに、舞台は関係ないんだな!と思わせてくれた作品です。

影響を受けやすい私は娘を工科大学に進学させようかと考えてしまったくらいです。(ちなみに娘は保育園児。気が早すぎる。)

感想としては、男子校ならではの勢いや、女子がいないことの遠慮のなさが、高校と比べて行動やお金が自由になる大学という舞台で、すっごく輝くんだなぁということです。
お話の中では、主要人物は男性しか登場しないからか?ドロドロとした嫉妬に関するエピソードは描かれていておらず、単純明快目標に向かって突き進む姿が描かれていておりました。

ここに異性が絡むと、見栄や嫉妬など不純物が混ざって、動きが鈍くなるのでしょうが、男だけなので動きにキレがあるのです。
女子大とかも同じなのかな?とふと思ったり。
私自身は共学の学校にしか通ったことがないので実感はないのですが。

とにかく面白かったので、有川浩さん片っ端作戦は今後も続きます。

有川浩さんの「三匹のおっさん」を読んだ。

三匹のおっさん (文春文庫)

有川浩さんの本を、とりあえず片っ端から読む活動の一環として、まずはドラマにもなった三匹のおっさんを読みました。
ちなみに、図書館戦争シリーズを読む前に県庁おもてなし課を読んだことがあるんだったな…と思い出しましたが。

「三匹のおっさん」は、還暦を迎えた男性三人が、まだじいさんじゃねぇ!おっさんだ!と自発的な町内自警団となり、警察では難しいような町内の揉め事を、時にはグレーな手段で解決していくという、勧善懲悪なスカッとするお話です。

数々の事件を解決していく中で、生意気だった孫が成長を遂げていったり、奥さんとの関係を立ち止まって考える機会があったり、おっさん達周囲の人々が変化していく様子も面白かったです。

しかし、一番ビビッと来たのは序盤のノリさんの決め台詞「俺たちのことはジジイと呼ぶな。ーおっさんと呼べ。」でしたね。

決め台詞と書きつつ、一回しか出てこない台詞なのですが、この一言が物語のすべてを表しているというか、すごく心に刺さったのでした。

物語全体としては、すごく面白くてやはり寸暇を惜しんで読み進めてしまいました。
三匹のおっさんは、この時代に還暦ですから、年相応にガサツです。言葉遣いもザ・男!な感じです。でもそんなガサツな男らしさを下品に感じさせず、愛すべき対象として描かれていて、読んでいてとても心地よい感覚でした。
実生活において、親しい女性のことを「おまえ」とか「ババア」とか言う人は大嫌いです。
ですが、この本の登場人物がそのような言葉を使っても、実生活のような嫌悪感はありませんでした。むしろ人間味溢れるというか?きっと、言葉の表現以外の人間性の部分で愛すべき存在としてインプットされたからなのかなと思っています。
図書館戦争シリーズでもそうでしたが、有川さんの書かれる物語では、ガサツに振る舞うけどとても愛すべき人が沢山登場するのだなぁと思う次第です。

これから読む本にも沢山出てくるんだろうなと思うと今から楽しみです。

有川浩さんの図書館戦争シリーズを読んだ。

 

 有川浩さんの図書館戦争シリーズを読みました。

以前から気になっていたのですが、なかなか読む機会がなくて、ブームになってからかなり月日が経っているので今更感はありますが、読みました。

昭和の次の元号が架空の正化となり、表現の自由が制限される法律が成立した日本。

図書館だけが表現の自由を正当に守ることができ、表現の自由を守るため軍事的な訓練も行っている。主人公の笠原郁は、図書館を守る図書隊員のエリート部隊である図書特殊部隊に配属され、失敗を重ねながらも持ち前の熱い心と、高校生の時に自分と本を守ってくれた図書隊員への憧れを胸に修行に励みながらのアレコレというお話ですね。

私が読んだ文庫は6冊で構成されています。

図書館戦争図書館戦争シリーズ①)

図書館内乱(図書館戦争シリーズ②)

図書館危機(図書館戦争シリーズ③)

図書館革命(図書館戦争シリーズ④)

別冊図書館戦争I(図書館戦争シリーズ⑤)

別冊図書館戦争Ⅱ(図書館戦争シリーズ⑥)

 

感想としては、

一冊目は正直言うと、図書隊や良化委員会等の設定がスッと理解できず、早く先を読みたいから食事やトイレに行く時間も惜しいという感じではありませんでした。世界観に慣れていなかったということでしょうか。

交戦規程とか、一歩間違えれば死ぬよねというような細かい疑問が湧いてきて、ストーリーに集中出来なかった面があります。この歳になってくると、健康な生活や命など、武力衝突で失われるものをリアルに想像できるようになってしまって、もしも本当にこんな世界になっていたら、図書隊と良化委員会以外の社会が現実世界とほぼ同じなわけないだろう(もっと何らかのひずみというか不安定さが出ているはず)という思いから、物語にのめり込めなかったのだと思います。こんな考え方をしてしまうとは、大人になるってちょっとつまらないですね。

ところが、2冊目以降になると設定やキャラの性格が理解できているので、(というか世界観に慣れたのでしょうか)もう読むのが止まらなかったです。通勤電車で読み始めたら、会社に着いても始業時間まで自席で読んだり、昼休みもギリギリまで読んだし、夜も寸暇を惜しんで読みました。

良化委員会との戦闘そのものと言うより、人間模様や戦闘以外のアクシデントへの対応が多く描かれたので、入り込みやすかったのかもしれません。

茨城の図書館の一件はスカッとしましたが、玄田隊長助かってよかった〜と思いました。だって、頭を撃たれたら完全に死んでいたでしょ。

当麻先生との逃避行も面白かったですが、地下鉄使っていいんだ!と思ってしまいました。何しろ、山手線の内側の地下鉄は仕事で良く乗るのでリアルに想像するとイマイチ現実味がなくなってしまうんですね。いや、架空の日本だから現実味とか必要ないんですけど。

のめり込むものの、戦闘に関しては上記のようにうがった見方をしてしまうのが悪い癖だなという感じですが、人間模様はすごく面白かったですし、文章自体は嫌味なくすごく好みでした。

 

さて、お前は設定に文句があるのかないのかどっちなんだという感想を書きなぐっていますが、もう1点だけ。

現実社会ではよっぽどアットホームな会社を除けば、社内恋愛や社内結婚に何らかの制限がある会社が多いと思うんですよ。中小企業ですと、どちらかが辞めないといけないとか(暗黙の圧力)、同じ部署で結婚したらどちらかを異動させるとかです。

なので、堂上教官と郁は、同じ隊内で結婚したわけですが、異動とかしなくて良いの?とめちゃくちゃ気になりながら読んでいました。

一般的なケースでは、周りもやりづらいですし、仕事を休まなければならない家庭の事情が発生した場合、二人同時に休んだら業務に支障が出ますよね。

とはいえ、小説の中では、同じ隊の方が面白いし、隊が別れると公休も一緒でなくなって可愛そうだし、他の部署へ異動させるのも適性を踏まえると非効率ですから、これで良かったのかなとは思いますけど、せめて他の隊に異動とかはなかったのかな…と夢も希望もない感想を抱いてしまったのでした。

 

あれこれ書きましたが、全面的に面白くて、読んで良かったことは確かです。

有川さんの他の本も片っ端から読んでみようかなと思います。

 

坂東真理子さんの「女性の知性の磨き方」を読んだ。

坂東真理子さんの「~お手本のない時代を生きる~ 女性の知性の磨き方 」読みました。


この手の本は、年に1回ぐらい読みたくなるもので、読むたびに我が身を振り返り、そうそうこんな感じでやらないとね、と決意新たにしています。 印象的だったのは、語学は大切だが日常会話というより、仕事の専門分野を意味が通じるレベルで話すことが出来れば良いという部分でした。 私は外国語は日常会話すらままならないのですが、それなら何とか頑張れるというか、語学習得のモチベーションをキープできるなと思いました。 たって、日常会話を習得したところで、もちろん出来るに越したことはないですが、子供の友達の外国人のお父さんとの会話がスムーズになったり、外国人観光客との会話がスムーズになったりするぐらいです。 ですが、仕事の内容ならなぜかモチベーションが上がります。なんでかな。おそらく、現在の仕事が気に入っているからでしょうね。 全体の内容としては、一つ一つのポイントはそこまで現代的ではなかったです。例えば、女性は男性に比べてこれこれの面が得意な傾向があるので…という内容があったりして、性別による得意不得意は単なる言い訳であると考える人にとっては、なんだかな、という印象を受けると思います。(私も性別を言い訳に男性ががさつであっても許されるのは許さないタイプ) でも、実際の世の中の人の感覚はそんなもんだろうから、そのあたりが限界かなとは思いますし、そういう意味では現実を正確に把握されている印象。 しかも、長い目で見たときに勝者になるならば、性差による能力の違い(思い込みも含む)を利用するのは悪いことではないなとは思いました。 全体的には、おっしゃる通りだわ、という印象で、面白かったです。 面白かったと言えば、かなり前に「女性の品格」を読んだときは、全く面白くなくて途中で読むのを止めてしまったんだっけ。若かったからかな?