あめちゃんの読書日記

目標は年間100冊読書して本の感想を詳しく語ること

有川浩さんの「シアター!」を読んだ。

シアター! (メディアワークス文庫)
有川浩さんシリーズということで、読みました。
本当はこの本を読む前に、すごく字の多い小説じゃない本を読み始めたのですが、小説家が書いているわけではないから文章そのものに引き込まれないし、専門的な内容なので登場する漢字が読めない事態に陥り、読書継続を断念し、今に至ります。

シアター!」は、小劇団を主宰している経済観念ゼロの弟から、300万円貸してほしいと無心されたしっかり者の兄が、2年後までに劇団の売上のみで返済することを条件にお金を貸してあげると同時に、自分が経理的な役割として劇団に関わっていくというお話です。

今回も楽しく読めました。
朝の電車で読み始めて、昼休み、帰りの電車で読み終わることができて、スッキリ。
劇団の舞台は見に行ったことがないのですが、一つの公演を作り上げるには、芝居そのものだけでなく、セットとか運営、経理、広報など様々なパワーが必要なんだなと分かりました。

劇団員は食えないというのは全体を通して書かれていますが、兄は食えないのに演劇を続けようとしている弟達が理解できない様子です。
演劇をしている人は、貧乏でも好きなことに打ち込める環境がある方が良い人が多いと思うのですが、そこまでのめり込む理由って何なんでしょうね。

思い返せば、子供達は幼稚園や保育園の頃から劇に参加させられますよね。理由は、他の人の気持ちになる劇が子供の成長に有益だとか、チームワークを学ぶためとかそれなりのものがあるのでしょう。

それを踏まえると、ほぼ全員の子供に演劇の機会を与えておきながら、将来的に演劇で食べていける人は一握りという、何とも無責任な感じはします。
あ、でもその理屈だとお絵描きや音楽も同じですね。しかし、絵画や音楽は演劇ほど往生際が悪い人はいないような気がします。成果物が形に残るので客観的な評価を受け入れやすいのかもそれません。

ひきかえ演劇は、映像に残すという手段があるものの、空気感も作品の一部だし、評価は主観によるところが大きいと思われがちだし、大勢で作るものだから責任が分散し、まだ望みがあるのかも…と思われがちなのかもしれないなと思いました。